トップ > VPKで富士山頂ご来光撮影計画 目次 > EPILOGUE5:御来光再び
日付が変わった頃、隣の人が起き出した気配がした。午前1時頃、私もしばしば目が覚めるようになり、1時半頃、出発の準備を始めた。幸い、雨音はしない。しかし気温低下は確実なので、レインウェアを着込み、荷物はザックにしまい、忘れ物が無い事を確認した。
隣の方も出発の準備を終え、共同で荷物を下へ下ろす事にした。まず、ザックと靴をはしごの近くに集め、隣の方に先に下へ下りてもらい、私が上からザックと靴を渡し、二人分の荷物を一階へ下ろした。この共同作業は、本当に助かった。
予定の2時よりも大分早く、小屋を出発した。入り口脇の金剛杖は忘れない。一緒に下りた方は、荷物の確認などで、出発時刻がずれた。
小屋を出ると、幸い雨はやんでいる。昨日の天気予報は、良くも悪くもない情報であった。空を見上げると、星が輝いていた。期待が膨らむ。
ヘッドランプの明かりを頼りに小屋を離れ、階段を数歩登ると、先にはまっすぐ道が延びていた。振り返ると、小屋の近くに、かすかにヘッドライトが見える。どうみても人工的な道なので、道なりに進む。しかし、ガイドロープや標識が全く無い。また後ろを振り返ると、後を付いてくるライトが見える。大丈夫だと判断して、先へ進む。
やがて、左手に光の筋が見えた。富士宮口ルートである。まばゆい光に安心し、先へ進む。
つづら折りの道であるが、土の盛り方からして、ブルドーザー道のような気がして来た。しかし立入禁止のロープは無いし、すでに標高を200mは上がっているので、戻ると御来光行列に巻き込まれる事が危惧された。
「ブルドーザ道ならば、いずれ御殿場ルートに戻れるだろう」
そう考えながら、標高を上げて行く。
しかしブルドーザ道は、やがて西へと向きを変え、光の筋が続く富士宮ルートへ至ってしまった。標高3550mの胸突山荘より上である。静かな御殿場口往復計画が、最後に来て、渋滞する富士宮口への登頂へ、コースが逸れてしまった。単独峰でなければ、普通に道迷い遭難事故である。
昨年は須走口より登り、吉田口と合流して、御来光館から渋滞し、日の出直前に山頂に着いた。今回もツアーの方で行列ができていたが、みなさん速い。思えば、昨日は標高1,850mを登り、その疲れが残っているようであった。富士宮口五合目の標高は、昨日雷鳴を聞き始めた辺りである。
高い段差に体力を奪われたが、ペースを守り、無理な追い越しはしなかった。やがてツアーの人が、
「山頂の鳥居だ!」
と行ったので、元気づけられた。
午前4時頃、道迷いにより、富士宮口山頂到着。すぐに御来光撮影スポットを求め、お鉢を反時計回りに進んだ。
すぐに、御殿場口山頂に到着。無念の極み。さらに東へ進み、朝日岳を通過。伊豆岳と成就岳の間辺りにザックを下ろし、御来光を待つ事にした。
時計を見ると、4時20分頃。東の空が、少し白み始める。しかし、雲が多い。

昨年は山頂到着直後の御来光で経験しなかったが、御来光をじっと待っているのは、かなり寒い。フリースをもう一枚羽織ろうかと考えたが、陽が昇れば暖かくなるはずなので、あと20分ほどを我慢する事にした。

時の流れは遅い。横に陣取っているパーティーの話し声が聞こえた。
「御殿場口から登るヤツは、通か変態のどちらかだろう」
コースタイムより遅い自分が通のはずはないので、どうやら変態の部類に入るらしい。おまけにコースは外してしまうし。少し、笑えた。

4時45分過ぎ。おや!?雲の中から赤い丸が昇って来た。

これが、今回の御来光です。青空が無いため、赤と灰色の世界。

みなさん、何とか御来光が拝めて、ほっとした様子です。

太陽が雲の上に出たけれど、今年は少し雲が多い。昨年の方が綺麗だったかな?

最悪、御来光無しも覚悟していたので、一先ず安心。

そろそろ御来光を拝み終えた人々が、辺りから離れて行く。

せっかく「EOSR」を背負って来たので、もう一枚。

後ろを振り返れば、お鉢の中央。遠くに剣ヶ峰が見える。この後、吉田口山頂に到着。久須志神社で御朱印と焼印をお願いするが、すごい行列。陽が昇れば、やはり温かい。

剣ヶ峰の手前で、西に「影富士」が見えた。

影富士の北側。遠くはアルプスの山並みかな?
剣ヶ峰では、恒例の大行列。自分の写真を撮らなければ、並ばなくても大丈夫らしく、日本最高峰へ向かう。

最高峰の碑を撮影。やはりこの時間は、逆光になる。右も左も、人で埋まっています。
剣が峰から馬の背を下りる。大砂走の練習としてスピードを出そうとするが、足を滑らせる。怪我をしなくて助かった。
浅間大社奥宮へ到着。御朱印、焼印をお願いし、気合を入れて神璽をいただく。
隣の郵便局も行列。親戚に手紙を出すために、少し並んで、登頂証明書の購入と手紙の発送を完了。
再び御殿場口山頂に戻って来る。ここから下山を開始。ガイドロープだらけで、どこで道を間違えたかを確認しながら、標高を落として行く。そのまま「赤岩八合館」に到着。ブルドーザ道は、この山小屋の北側にしか無かった。よって、出発から10mほどで道を間違えたようだ。とても恥ずかしい。
「赤岩八合館」で朝食をいただく。ザックを入り口にデポして食堂に向かいたかったが、私と同じカリマー「ridge40」K.ブルーのザックが置いてあったので、食堂まで持って行く。この時間、同じ山小屋に、全く同じザックが3つあった事になる。人気商品なのか?疑問を残しつつも、朝食をおいしくいただく。和食でした。ご飯のみ、おかわり自由。
この後はいよいよ御殿場口名物「大砂走」。昨年須走口の砂走で痛い目に遭っているので、気合を入れ直す。
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